新宿ツバメ亭
六「それじゃあ、それを集めてどうするんだい」
甚「大概綺麗にして乾燥させてととくんだろう」
八「上物は、集めてそのまま使えるが、そうでないのは、綺麗に洗って漂白して上物らしく形を整えて売りにだすそうだ。 人間のやることは信用ならねえ事もあるが、本物のツバメの巣は、良い物だよ。」
六「じゃあ、どうやって本物と偽物を見分けるんだい。」
八「それは、俺にも解らないが、信用出来る店から買うことだろう。」
甚「横浜の中華街ではスープ一杯何万円なんてえのがあるぜ。」
六「お前食ってみたことあるのか。俺ならシジミの味噌汁で十分だ。」
八「お前は、そんなケチくさいことばっかり言ってるから一向にうだつがあららないのよ。甚公のかみさん使って良かったて言う、ツバメの巣入りの高い化粧品を、かみさんのために買ってやったらどうだい。ぐっとお前の株が天井知らずに上がるぜ。」
六「上がりすぎて空まで飛んでいったら大変だ。帰ってこれねえじゃないか。」
八「そこのところは心配ねえ、何処まで飛んでいっても、巣を忘れねえツバメにあやかってどんな遠くからでも、ちゃんと家まで帰ってくるさ。」
長屋の3人の馬鹿話はこの辺でおひらきに!!