新宿ツバメ亭

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竹蔵 与太郎小話4

2時間ほど後 

 「竹兄い、行ってきたよ。点滴って言う物を腕に刺されて、おまけに太い注射をうたれちまったよ。おまけに、薬を山ほど貰って戻ってきた訳さ。先生に、『今の季節は物がいたみやすいから食中毒を起こしそうな食品には呉呉も注意するように』と散々説教されてきたよ。

なんだか、気のせいか腹痛は随分楽になったように思うぜ。兎も角、兄いが言っいてたみたいにハラワタ引き出して洗われなくて大助かりだ。

ところで、お米婆さんをギャフンと言わせる手立ては見つかったかい。」

 「それよ、それよ、俺はとっても良い物を見つけたんだ。一寸これを見てみねえ。」

 「一体これは何だい。」

 「婆さんがお前が夕べ豆腐の腐った物でも食ったじゃあないか?と言ったというのを思い出して、俺の家の中を探していると幾日も前に買って忘れていた豆腐が見つかったという訳さ。カビだらけで臭くてしようがないから捨てようと思ったが、こいつで婆さんに一泡吹かせてやろうと思ってお前をまっていたのさ。」

 「どうやって、一泡吹かせるんだい。」

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