新宿ツバメ亭

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竹蔵 与太郎小話5

 「細工は隆々仕上げをご覧じろてえものよ。それじゃあ、お前この腐った豆腐をすり鉢の中ですりつぶせよ。」

 「随分、臭いな、これを俺がやるのか。」

 「当たり前だ、お前の仇討ちをしようというのだからな。」

 「随分混ざって泥になったよ。こんな物どうするんだい。お米婆さんに投げつけるのかい。それは一寸ひどいと思うけどな。」

 「そんな馬鹿なことはするもんか。その中にここにあるうどん粉を入れて、もっとかき混ぜるんだ。」

 「なんだかうどんの生地みたいな物が出来てきたよ。」

 「今度はそれを手にとってこね回すんだ。」

 「え、またおれがやるのかい。臭くて何だか気持ちが悪いよ。」

 「もっともっとこねるんだ。だいぶそれらしくなったじゃあねえか。それを、少しずつちぎってまるめるんがよ」

> 「手がなんだか気持ち悪くなった。腹痛の次に手が腐った豆腐にあたるんじゃないかな。」

> 「もう少しの辛抱だ。今度は丸めた物をせんべいくらいの薄さにのばすんだ。」

> 「なんだかせんべいみたいなのが10枚も出来たな。」

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