新宿ツバメ亭
八「うめ−事をしたじゃーねーか。俺たちは逆立ちしても手に入らないような代物じゃあねえか?」
熊「そりゃーそうさ、俺が、大旦那を竹庵先生のところまで運んで、竹庵先生がツバメの巣をすすめたから、大旦那は今のように元気になったんだぜ。俺にも多少の報いがあってもいいじゃあねえか。 ツバメの巣をもらってからは、毎日欠かさずツバメの巣の煮汁を飲んでるのさ。そうすると驚いたことに一月もたつとすっかり元気になって今では朝から晩まで精出して働いてもつかれしらずよ。
八「へー、たいしたもんだ、さっきおめー、ツバメの巣を食べると女子は色白の別嬪になると言ったな。」
熊「それがどうしたんだよ」
八「熊は昔から、熊のように真っ黒けだったろう。それがな、2月ほど前に見かけたときには、何となく黒い色が薄れて、この野郎、黒熊からヒグマになりやがったなと思ったことがあるのよ。」
熊「冗談言うねえ」