礼文島には瑪瑙の原石が出る。道ばたで拾った物を見せると、老人は、もっと良いのをやろうと言って大きな箱を取り出したその中には大小様々な瑪瑙の原石が入っている。その中から「これが良いだろう」と言って取り出したのは、海の底から網に絡んだ物を取り出したという、野球のボールほどの球形に近い白い石であった。それを有り難く頂いた。 私が拾った石は、帰り道でまた山道に返した。その時貰った丸い石は46年後の今も我が家にある。 宿に帰ると、船を雇ってマグロ釣りに行っていたという関西の二人の学生が居た。マグロが釣れれば高値で売れるというので終日挑戦したようだが、釣果は0だったそうだ。 夕食の時に、宿のオジサンもまじえていろいろ話している内に、今晩は丁度四人居るから麻雀をやらないかと言うことになった。 勝負は一進一退、伯仲した勝負が続いていた。最後の方で、私はついに、国士無双の役満で上がり、ダントツの勝利を挙げた。二晩宿に泊まった宿泊料は、麻雀の勝ちでまかなえてしまった。