その翌日は、国分を通って宮崎へはいる。宮崎では宮崎観光のバスに乗って市内観光、その後は日南海岸でサボテン公園や、鬼の洗濯板と呼ばれる海岸線の平らな岩の重なった光景を見た。
尚南へ向かい、岩穴の中に祀られる鵜戸神宮を参拝した。ここは随分歴史の古い由緒ある神社だそうだ。
宮崎からは、別府を目指すはずだったが、気まぐれな旅で、どちらからともなく、九州はそろそろ終わろうという事になった。
一路東へ向かう、長い汽車の旅に飽きたころ、宮島口に着いたので汽車を降り、船で宮島へ渡り、厳島神社へ行った。宝物館には平家ゆかりの国宝・十分級の文化財が多数展示してあった。
宮島には一寸苦い思い出がある。数年前、友人とここを訪れて、あちこち見て宿を取って、夕食を待っていたときに友人が急に腹が痛いと言い出した。『広島の駅前で食べた昼食で食中毒したらしい』と言って苦しんでいる『医者を呼んでくれと言うので、宿で聞いた医者の家を訪ね、往診を依頼した。注射と薬で少し治まったのか、翌日は帰ろうと言って早朝に島を発ち青い顔をした彼は東京へ帰っていった。私も彼が心配なので大阪まで彼と同行してそこで分かれた。
|