数時間の激闘で、やっと吉田口頂上にたどり着き、神社の茶屋で一休みしました。
真夏だというのに頂上は寒く、太陽は照り輝いているのに手がかじかんだ。冬にもあまり使わない手袋をあわてて手に着けて何とかしのぐのが精一杯だった。父も手が凍えてカメラを扱うのが難しい様だった。
火口をのぞくと、其処には雪が残っていた。父は「これから最高点の剣が峰を通過して、火口周辺を一回りする、お鉢巡りをしよう」と言ったが、初めての高山で、高山病になったのか頭痛が激しく、「もうこれ以上は無理だ」言うと、父はそうかと行って、火口の上を少し歩いて、御殿場口へ出ると、下山にかった。下山は、砂状の火山岩の中を半分駆け下るように降りるのだから大変快適だ。やっと、麓近くのバス停へ着いたとき下山途中二人の同僚に支えられてふらふらと歩いていた青年が、すっかり元気になって、歩き回っていた。私の頭痛も、下山途中何処かで消えてなくなった。