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遙かな尾瀬遠い沼の旅7

 明日は至仏山に登る予定と言うことは暗黙の了解であるが、どちらも何も言わない。ゆったりとした草地の上にテントを張って回りに少し雨水よけの溝を造って、早めに休んだ。明け方テントをうつ雨の音がする。頭を出してみると雨はかなり降っている。幸いテントは雨漏りもせず雨水が地面から流れ込んでくることもない。どちら側ともなく「今日は、ここで様子を見よう」と言うことになった。

 午前中降っていた雨は、午後には小降りになった。しかし完全に雨が上がったわけではない。隣のテントも、その向こうのテントも動こうとしない。夕刻、雨が上がったので炊飯をしようと言うことになった。早朝に出発しなければならない、明日の分も合わせて、飯盒二本八合炊いておこうと言うことになり、二人でイソイソと働き、飯盒二本を炊きあげた。

 翌日の予定は、至仏山に登りそこから鳩待峠へ下り、バスで沼田へ下ると言うことになっていたが、どちらも何も言わない。

 ただ、飯盒の飯と缶詰を食べるだけ。すぐに一つ目の飯盒、四合は空になった。するとどちらからともなく、翌朝のために炊いておいた筈の飯盒に手が伸び缶詰を何缶か開けて又無言で食べ始めた。すぐに二つの飯盒は空になり二人は「美味かったな」と言って笑った。

 「明日は朝飯の用意などをすると遅くなるから、至仏山はやめて、脇道から鳩待峠へ下ろう」と友人は言った。私も初めてのキャンプ生活で、疲れを身にしみて感じていたので「そうしよう」と即座に同意して、翌日朝食を造るときに昼食用のおむすびを用意して鳩待峠に向かった。

 鳩待峠では期待していたバスには乗れず、真夏に、ウグイスの声を聞きながら、延々と長いバス通りを鎌田まで歩いて、やっとバスに乗り、沼田まで出て東京へ帰った。

 これが、初めての尾瀬旅行であった。

 

 

 

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