旅は道連れという。 一人旅も悪くないが気の合った友との旅は格別である。 大学時代、高校時代の友人4人で、夏休みに能登から富山まで行こうという話しが持ち上がった。 四人が通っている大学はそれぞれ違うが、高校時代は柔道部やラクビー部の連中で、教師からは、勉強をしない、胡散臭い学生として目を付けられていた連中である。 なんとなく気の合う連中で、みんな卒業後は、現役大学進学に失敗して浪人となっていた。 その頃私は大阪の実家に帰っていたが、上京するとMの家に度々集まって麻雀をやった仲間である。 三人は一年浪人してそれぞれ大学へ進学した。 取り残された私も、翌年には首尾良く、東京の某大学に合格したので晴れて大学生となった。 そして最初の夏休み、悪友達が、北陸の旅に誘ってくれたのは出遅れた、私を激励すると言う悪友のあつい友情もあったのではないだろう。 北陸の旅で特に大きな助けは、友人の一人Mのお母さんの実家が富山のお寺だと言うことである。